肩の腱板損傷 後遺障害認定と異議申し立て

交通事故オンライン後遺障害編

伊佐行政書士事務所
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  1. 肩の腱板損傷とは
  2. 14級から12級になる人も多い
  3. 異議申し立ての事例

肩の腱板損傷とは

どういう傷害か

腱板は、棘上筋腱、棘下筋腱、小円筋腱、肩甲下筋腱という四つの腱の塊です。肩甲帯から上腕骨を覆い、肩関節の動きに重要な役割を担います。 腱板は加齢や外傷を原因として損傷することがあります。特に棘上筋腱は肩関節の構造上損傷しやすいため、肩の腱板損傷というと、 棘上筋腱の損傷をさしていることが多いです。肩の側方挙上が60度以上不能な場合は棘上筋腱の断裂が疑われます。 若年者が外傷によって棘上筋腱の断裂を起こすことは稀ですが、50歳代以上では軽い捻挫程度でも断裂を引き起こす場合があります。 症状は、疼痛、動作時痛、夜間痛のほか、肩の挙上制限が見られます。

治療方法

主にMRI検査により診断されます。 治療は、部分的な断裂の場合は痛み止め薬や麻酔注射などを使った保存的治療となります。完全に断裂している場合は手術が必要になりますが、 多くはありません。

後遺障害等級

機能障害としては10級10号か12級6号、神経症状としては12級13号か14級9号の認定となります。

14級から12級になる人も多い

腱板に痛みが残り14級に認定された方が、異議申し立てにより12級になる例は少なくありません。 例えば『外傷性肩関節周囲炎と診断され肩関節の痛みが取れなかった主婦が非該当であったが、医証その他の資料により12級13号に認定された事例』などがあります。

こうした事例には、提出資料の不足、診断書の記載事項の不適切さ、時には医師の見落としなどの原因が必ず潜んでいます。 それに気がつくことができなければ、効果的な対策は立てられません。 何が問題なのかを見極めて対策を立てることが重要です。

どのような対策があるか

異議申し立ての具体的な対策としては、一般的には画像による検査、その他神経学的検査を受け、医師に診断書を書いていただくことが多いです。 既にいくつかの画像診断を受けている場合は、それ以上の事は必要ない場合もありますが、より高度な画像検査が有効になる場合もあります。 また、別の病院で再度検査を行うことが有効な場合もあります。症状の再現テストやストレステスト、筋電図など傷病に合った方法を選択することが大切です。

異議申し立ての事例

腱板損傷の事例1

事故態様

27歳男子会社員が片側二車線の国道を大型オートバイで時速約60キロで走行中、路肩に停止中の乗用車が合図なしでUターンを開始。 オートバイは乗用車運転席ドアー部分に衝突し、被害者は乗用車を飛び越え道路に落下。

傷病および治療経過

右脛骨高原骨折、右肩腱板損傷、頚椎捻挫、腰椎捻挫。1ヶ月入院の後9ヶ月通院し、右膝の神経症状で第12級に認定される。 右肩腱板損傷は判然とせず非該当。右肩に関しては可動域制限と常時疼痛を残しており、リフォーム会社の仕事に著しい障害があり、退職を余儀なくされた。

異議申し立て

右肩腱板損傷について、可動域制限は基準に達しないことが明白なため除外し、神経症状として12級13号認定を目標に対策を検討した。 まず医師面談を申し込み、腱板の状態を確認後、他の病院で紹介により検査を実施。診断書書式を作成し医師に作成依頼。診断書、画像、その他添付書類にて異議申し立てを行い腱板損傷が12級13号に認定され、併合第11級となる。

腱板損傷の事例2

事故態様

35歳男性がオートバイで直進中、路肩に停車中の自動車が突然発進し接触。バイクは転倒し右鎖骨開放骨折、右肩腱板損傷、頸椎捻挫の傷害を受けた。

傷病および治療経過

鎖骨の開放骨折のため手術を行いプレート固定された。 事故から1年後に肩の痛みを残し症状固定となり後遺障害認定を受けたが、初回は非該当。 MRI検査は実施済みだったが、損傷が判然としないという理由で非該当。 男性は肩が半分程度しか動かせなくなり、転職を余儀なくされた。

異議申し立て

医師と相談して別の医療機関で画像検査を受け、さらに症状経過などを資料により明確にした。 新たな画像と診断書等により異議申立を行い、機能障害で12級に認定された。