鎖骨骨折 後遺障害認定と異議申し立て

交通事故オンライン後遺障害編

伊佐行政書士事務所
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  1. 鎖骨骨折とは
  2. 異議申し立ての事例

鎖骨骨折とは

どういう傷害か

鎖骨には上肢や肩甲骨の運動・安定のほか、神経や血管束の保護、挙上による呼吸の補助などの役割があります。 鎖骨は上から見るとS字のカーブを描く形をしており、近位(胸側)、中央、遠位(肩側)に三分割すると中央部分(骨幹部)が最も骨折しやすくなっています。 胸側の端を胸鎖関節といい、肩側の端を肩鎖関節といいます。

鎖骨に直接外力がかかり骨折することは少なく、外方よりの介達外力による骨折がほとんどですが、直達外力による骨折では腕神経叢損傷を伴う場合もあります。 遠位端骨折では烏口鎖骨靭帯損傷を伴うものは機能障害を残しやすいとされています。 偽関節となるケースも多いですが、無症候性であれば治療の必要はないとされます。症候性偽関節の場合は骨切や移植術が行われます。

治療方法

鎖骨の中央部付近が骨折した場合は、変形した状態で骨癒合しても運動障害が残る可能性は低いため保存的治療が選択され、 クラビクルバンド(鎖骨固定帯)による固定などで骨癒合を待ちます。 鎖骨の遠位端・近位端骨折や、転位の大きい場合、第3骨片のある場合は、骨癒合があまり期待できないため、手術が行われます。 手術侵襲が少ないキルシュナー鋼線で鎖骨を固定する方法が一般的ですが、プレートをネジ固定する場合もあります。

後遺障害等級

保存的治療をした場合は変形治癒することが多く、12級5号に認定されるケースが多いです。 変形の程度は裸体になった時に変形がわかる程度でなければならず、レントゲンなどで癒合部に肥厚がみられる程度では変形による後遺障害認定はされません。 骨癒合せず偽関節となった場合は骨盤骨から骨移植をする場合があります。この場合、平成16年の新基準以前は骨盤骨の変形と併合で11級に認定されていましたが、 現在の基準では骨採取程度では等級に該当しないこととされたため、12級5号のみの認定となっています。

痛みや可動域制限を伴う場合は、変形障害の12級とは別に神経症状や機能障害で12級に認定され、併合11級となる場合があります。 弊事務所でも異議申し立てにより併合11級となった例が多数ございます。

異議申し立ての事例

事故態様

58歳会社員男性が自転車で交差点を横断していたところ、後方から自動車に追突され転倒し、左鎖骨を骨折した。

傷病および治療経過

左鎖骨骨折。手術は行わずクラビクルバンドによる固定で保存的に治療をしていたが上手く骨癒合せず、その後骨移植を行ったため治療に1年半かかった。痛みと可動域制限を残して症状固定し、変形障害で12級の認定がされた。

異議申し立て

医師に医療照会を行ったところ機能障害と変形障害で併合11級となる可能性があったため、検査と診断書作成を依頼した。 その結果を踏まえて異議申し立てを行ったところ、併合11級に認定された。