手のTFCC損傷(三角線維軟骨損傷) 後遺障害認定と異議申し立て

交通事故オンライン後遺障害編

伊佐行政書士事務所
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  1. TFCC損傷(三角線維軟骨損傷)とは
  2. 異議申し立ての事例

TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)とは

どういう傷害か

転倒時に手をついて手首が背側に強く曲げられた場合に負いやすい怪我です。 事故で手首を傷め、数ヶ月経過しても痛みがとれなかったためMRIを撮ってみたらTFCC損傷(ティーエフシーシー)といわれたという方が多いです。手首の小指側あたりが痛みます。 TFCCとは、手首の尺骨側にある軟骨や靭帯のことです。関節円盤、遠位橈尺靭帯、尺骨月状骨靭帯、尺骨三角骨靭帯などで構成され、手根骨、橈骨、尺骨間の安定に役立っています。これが損傷することで、手首の痛みが長期間続きます。

治療方法

通常はサポーターなどによる固定治療がとられます。効果が得られない場合は関節内への麻酔注射が行われる場合もあります。 損傷と症状の程度によっては、手術がされることもあります。現在は関節鏡による人体への侵襲が少ない方法が主流のようです。 マイクロサージャリ―といって、手首に小さな穴をあけるだけの方法です。 三角線維軟骨複合体損傷かどうかの検査は、MRIや関節鏡が使用されることが多いです。

後遺障害等級

神経症状として14級9号または12級13号に認定されます。 医師がTFCC損傷と診断しても、後遺障害等級が認定されない場合もあります。MRIでは損傷が判然としない場合が多いからです。 TFCC損傷に限ることではありませんが、等級認定されるとされないとでは、損害賠償額に大きな違いがでます。事故当初から手首の治療をしていて、 後日TFCC損傷と診断された場合は、仮に等級が非該当となっても、異議申し立てを検討すべきでしょう。 的確な資料を提出することにより、妥当な判断がされる可能性がありますので、簡単にあきらめるべきではありません。

異議申し立ての事例

認定事例1

事故態様

57歳男子プログラマーが自動車で国道を時速約60kmで走行中、信号機のない狭路より加害自動車が飛び出し、 側面に衝突。被害車両は反対側車線まで跳ね飛ばされ、 対向車と接触しながら暴走。交差点から50メートルほど先の歩道に乗り上げて停止した。

傷病および治療経過

左手関節打撲、左肩打撲、右膝打撲、頚椎捻挫の診断。7ヶ月通院の後、左手関節および頚部痛を残して症状固定。手関節の痛みによりタイピングに影響、ミスが頻発している。また頚部痛により集中できず、デスクワークに支障がある。認定結果は、骨傷なく、神経学的所見もなく、治療経過を勘案しても将来にわたる後遺症とは認められず非該当。

異議申し立て

左手関節痛については他の病院で精査を行い、その検査結果により対策を検討。頚椎捻挫については症状固定時の医師に追加の診断書を依頼。左手関節精査によりTFCC損傷と診断される。本人希望により関節鏡による手術を実施。術後疼痛はやや軽減するも症状を残して固定。 手術を実施した医師に対し医療照会を行い、手関節と頚部痛について同時に異議申し立てを行う。結果は手関節痛12級、頚部痛14級で併合12級が認められた。

認定事例2

事故態様

62歳自営業男性が優先道路を自動車で直進中、対向車線より右折進入してきた軽自動車と衝突し、車は大破、全損となった。

傷病および治療経過

左手関節捻挫、頸椎捻挫、腰椎捻挫で治療を開始し、約8ヶ月間治療後、左手関節痛を残し症状固定となる。左手でペットボトルの蓋が開けられない。カバンを長時間もち続けられない等の症状があるが原因は不明とされた。

異議申し立て

初回の後遺障害認定では非該当となったため、MRI画像検査と神経学的検査を依頼し、これらを新たな医証として異議申し立てを行い第12級に認定された。