頚椎(上から)
頚椎(横から)
肩関節
手関節
股関節
膝関節
足関節
上肢と下肢
あ行
亜急性期 | 頚椎捻挫においては、受傷後3ヶ月以内とか6~8週間とかいう考えかたがあり、厳密には決まっていません。急性期が組織の損傷から 炎症反応が持続する期間であるのに対し、亜急性期は炎症反応が落ち着いてきて、損傷した組織に瘢痕組織形成がすすむ期間ともいわれているようです。 治療方法は、その原因や部位、受傷後の経過時間など様々なことを考慮の上、医師が決定します。頚椎捻挫の治療方法は色々なものがありますが、 本格的な物理療法は亜急性期から、と考える先生もいますので、受傷直後に病院に行って、薬しかくれなかったからといって、何もしてくれないと 決め付けるのは早計かと思います。逆に急性期にマッサージなどを開始するような事があれば、治療方針を疑うべきケースもあるかもしれません。 急性期には頚椎カラー(ポリネック)などによる保存が行われることがあります。場合によっては牽引がなされる事もあるようです。 問題なのは、急性期に医師が治療らしいことをしてくれないといって、患者が転医してしまうケースがあることです。そのような本来は不要であるはずの 転医は、医師と患者のコミュニケーションがしっかり取れていれば、回避できたのではないかと考えられたことがたくさんあります。 被害者の側からも、積極的に医師にコミュニケーションをとるように努めることが大切だと思います。 |
アスピリン | 非ステロイド性の消炎鎮痛剤。副作用は胃腸障害のほか、耳鳴りがおこることもある。 |
アドソンテスト | 理学的検査。症状を誘発させるテスト。Adson's test 胸郭出口症候群の検査のために行われることがあります。 橈骨動脈の脈を取りつつ、患者の頚部を回旋させます。 深呼吸をさせ、橈骨動脈の拍動が消失又は減弱すると陽性とされています。 交通事故で胸郭出口症候群という診断がされる事も少ないので、後遺障害診断書などでこの検査結果を見ることは少ないです。 胸郭出口症候群は、腕神経叢と鎖骨下動脈、鎖骨下静脈が圧迫され、頭痛や肩こり、腕の痺れ、そのほか自律神経系の症状を引き起こします。 モーレイテスト、ライトテスト、エデンテストのほか、血管造影検査も行なわれます。交通事故で胸郭出口症候群という診断がされた場合でも、 そのことのみによって後遺障害等級が認定されるということはありません。また、そのような診断がされたことによって、非該当となるという事もありません。 等級認定で重要なのは診断名だけではないのです。 |
アプレイテスト | 半月板の損傷を確かめるテスト。 |
アライメント異常 | 骨の並び方の異常のことをいいます。脊椎(頚椎、胸椎、腰椎、仙椎など)で用いられることが多いようですが、 下肢アライメントといえば、大腿骨、脛骨、距骨、踵骨など、手根骨アライメントといえば、月状骨や舟状骨 などの並びのことを指します。頚椎は正常な状態では横から見ると、軽く前弯して整列しています。 頚椎の周りには、神経、動脈、静脈などが走行しており、椎骨の整列が乱れれば、それらを圧迫するなどして様々な症状が出てくることが考えられます。 ただし、アライメント異常がみられても無症状の場合もあります。交通事故では、後遺障害診断書に頚椎前弯減少などの所見が書かれることが 多いですが、それは必ずしも事故に起因して発生したものではありません。また、何かしらの症状があってもそれがアライメント異常からきているものとは 考えられないケースも多いのです。したがって、この記載だけで等級認定がされることもありません。 |
アリナミン静脈注射 | 嗅覚脱失の検査法。嗅覚障害の認定は、原則的にはT&Tオルファクトメーターによる基準嗅力検査によるものとされていますが、 アリナミン静脈注射(アリナミンFを除く)による静脈性嗅覚検査によることもできます。 交通事故では、頭部外傷後に嗅覚障害となられる方が多いです。減退か脱失かで後遺障害の認定等級が異なります。嗅覚脱失では、 後遺障害逸失利益を否定されるケースもあります。それは嗅覚を失うことによって、直ちに労働能力を喪失したとは言い切れないケースが多いことから、 そのようなことが相手方から主張されるのです。例えば嗅覚を必ず必要とする調理師であるとかいう場合にはそのような主張はされない可能性が強いと思われますが、 そうでない場合には一律に逸失利益を否定、もしくは喪失率を小さく見積もって計算されることが多いです。ですがその他の職業の人でも、 絶対に逸失利益が認められないということではありません。当事務所ではその他の職業の方の場合でも、適切な資料を作成することにより、 等級にあった喪失率が認められるように努めております。 |
アロディニア | Allodynia 痛覚過敏・異痛症ともいわれます。CRPS(RSD)の症状として出現することがあります。 正常な状態では苦痛ではない程度の熱や冷たさ、接触や圧迫などにより痛みが生じます。軽く触れられたり、衣服のこすれなどにも苦痛を感じる場合があります。 薬物療法や神経ブロック療法などが行なわれます。 |
アンギオグラフィー | angiography 血管造影法。ヨードなどの、X線でよく描写される造影剤を血管内に注入し、X線撮影を行います。これにより血管が鮮明に描写され、 狭窄、閉塞などを確認することができます。造影剤の注入は、血管にカテーテルという細い管を挿入して行います。 交通事故では四肢などの動脈の損傷や、頭部外傷によるくも膜下出血等の検査のために撮影されることがあるようです。 造影剤の注入は人体への侵襲がありますので、造影剤を使わないMRIによる血管造影法(MRA~MRアンギオグラフィー)も、広く利用されています。 |
罨法 | 患部に温熱または寒冷の刺激を与え、血行を促進させる。炎症や疼痛などの治療法。温罨法は温シップやホットパック、電気あんか、冷罨法は冷シップや冷パップ、氷枕などが使用されています。温罨法の目的は暖めることによって 血管を拡張し、血液の循環を良くして炎症や疼痛を除去するというものです。冷罨法は冷やすことによって血液循環を抑え、 組織の新陳代謝を低下させて、消炎、鎮痛を図るといわれています。一般に外傷の急性期は冷やすのが良いとされているため、温罨法は、亜急性期以降に 行われることが多いようです。ホットパックはポピュラーな物理療法です。 |
あん摩マッサージ指圧師 | 医業類似行為。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律による、国家資格者です。 揉む、たたく、押すなどの手技により、自然治癒力を高める効果があるといわれています。 健康保険は、医師が必要と判断して同意書の交付を受けることができれば適用可能です。 自賠責保険では、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の行う施術も、必要かつ妥当な実費が支払いの対象とされています。 |
イートンテスト | Eaton test 頚椎神経根の症状誘発テストです。頭を痛まない側に傾け、痛む側の腕を斜め下方に引き、神経を牽引するようにします。 痛みが再現されれば陽性(+)となります。症状誘発テストの中では、ジャクソンテストやスパーリングテストのほうがよく行なわれているようです。 イートンテストで陽性となっても、そのことによってのみ後遺障害等級が認定されるということはありません。 |
インドメサシン | 非ステロイド性の消炎鎮痛剤。 |
インフォームドコンセント | informed consent 説明と同意。医師主導の診療から、患者と医師が共同して医療に取り組むという姿勢が求められてきています。 医師は患者に対して、専門用語をなるべく排した言葉を使い、病状や治療法などについて十分に説明するべきであり、患者側も説明を受けた上で 納得のできる治療法の選択をすることが望まれます。交通事故業務を行なっていると、医師と患者のコミュニケーション不足が新たな問題点を 形作っているケースによく遭遇します。コミュニケーション不足は、後遺障害等級認定にも影響を及ぼしますので、治療段階からの注意が 重要です。 |
インレー | 歯の治療法で「詰め物」のこと。合金、レジン、セラミックなどが使用される。損傷が小さく、インレーやポストインレーを行なうに留まる歯牙は、後遺障害等級認定の補てつ歯には含まれません。 レジン(白いプラスチック)や合金を使うのが普通です。インレーは歯の一部を削って詰め物をしたもの、ポストインレーは根管内まで合金釘が達するもの をいいます。 |
エデンテスト | Eden test 鎖骨と第1肋骨の間の圧迫徴候を誘発するテストです。 腰掛けている患者の肩を後方に引かせて橈骨動脈の拍動の変化を観察します。胸郭出口症候群の検査方法のひとつです。 拍動が減弱、消失した場合は、胸郭出口症候群が疑われます。 |
遠位 | 身体(体幹)からみて、近い側を近位(proximal)、遠い側を遠位(distal)といいます。 例えば右脛骨遠位端骨折といえば、脛の骨の足首に近いほうの骨折を指し、鎖骨遠位端といえば鎖骨の肩関節に近い部分を指します。 鎖骨骨折は中央部が折れることが多く、保存療法がほとんどですが、遠位端骨折の場合は手術適応になる事が多いといわれています。 脛骨は近位端骨折が多く、側副靭帯や十字靭帯の損傷を伴うことが多く、また、症状固定時に比較的軽微な後遺症しか残らなくても、将来変形性関節症 となる可能性が残るケースもあります。このように、骨のどの部分が骨折したかによっても、予想される障害がいろいろと異なってくるのです。 |
オージオメータ | 聴覚の検査機器。純音聴力(閾値=反応を起こさせる、最低の刺激量)レベル測定に使用されます。この検査によって平均純音聴力レベルを測定し、障害等級の 認定が行われます。労災基準では聴力検査は3回行うこととされ、検査と検査の間隔は7日程度あければ足りるとされています。認定は 2回目と3回目の平均値により行われます。 |
黄色靭帯骨化症(OYL、OLF) | 黄色靭帯は、脊柱管後方の靭帯。肥厚や骨化により脊髄圧迫障害の原因となる。ossification of the ligamentum flavum 脊柱は靭帯で覆われ支持されています。黄色靭帯もその一部で、下位胸椎が好発部位とされています。 足底の異常な感覚から発症し、痙性対麻痺の状態に至る事があるそうです。 交通事故で靭帯が骨化するわけではなく、事故前より身体的な素因があったとして、素因減額の対象とされる場合があります。 |
凹足(おうそく) | 足部の変形。縦のアーチが増強した状態。 |
か行
介達牽引 | 皮膚を牽引し、間接的に骨や関節の整復、固定を図る。indirect traction 牽引療法は筋緊張や炎症の沈静化、骨折の整復などの目的で行われます。介達牽引はスピードトラック牽引、グリソン牽引、 骨盤牽引などの方法があります。いずれもゴムやコルセットなどを装着し、牽引するものです。頸椎捻挫の治療で、ベッドに横たわり、顎などに装具をつけて、おもりの 力で牽引をすることがあります。 |
開張足 | 足部の変形。前足部が扇状に広がり、横アーチが消失した状態。 |
外転足 | 足部の変形。前足部が水平面で外側へ向いた状態。 |
外反ストレステスト | 側副靭帯のテスト。 |
外反足 | 足部の変形。踵部が外方に回転。 |
外反扁平足 | 足部の変形。踵部が外反し、縦アーチが平らになった状態。 |
開放骨折 | 皮膚が断裂して骨折部が露出するもので、感染の危険が高い。(=複雑骨折) open or compound fracture 開放骨折(複雑骨折)とは、骨折した部分の皮膚などが破れて、骨折部が外界に露出したものをいいます。 軟部組織の損傷の程度により、typeⅠからtypeⅢ-C(Gustiloの分類)に分類されます。typeⅠ=開放創が1センチ以下。 typeⅡ=開放創が1センチ以上だが広範な軟部組織損傷を伴わない。typeⅢ-A=軟部組織の損傷が激しいが、被覆可能なもの。 typeⅢ-B=骨膜の剥離を伴う広範な軟部組織の損傷。typeⅢ-C=動脈損傷を伴う。 |
カイロプラクティック | 国家資格ではない医業類似行為。手技により人の持つ自然治癒力を引き出します。アメリカ等では資格が法的に整備されており、信頼性が担保されていますが、 日本では国家資格とされておらず、誰でもが看板を掲げられるため、信頼できる治療先を見つけることが重要でしょう。 交通事故では基本的に、保険による治療費支払の対象とはされておりませんので、利用には注意が必要です。 |
カウザルギー | 末梢神経の損傷によると考えられる強い疼痛。CRPS type2 複合性局所疼痛症候群。神経損傷が認められるが、それとは不釣合いな部位や強さの疼痛が見られます。アロディニアが認められ、浮腫、 血流変化、発汗異常などが見られます。RSDは医学界でも解明されていないことが多く、分類も多岐にわたり、治療法も神経ブロック、神経切除術、理学療法、 心理療法、漢方などが行われているようです。交通事故では後遺障害等級認定や素因減額について問題になります。 |
核医学 | RI(放射性同位元素)を用いた診断、治療を行なう放射線医学の分野。X線CTやMRIが形態情報を与えるのに対し、核医学では臓器組織の血流・機能・代謝を画像化できる。(PET、SPECT) RIとは、ラジオアイソトープ(放射性同位元素)のことです。注射等でRIを体内に取り入れ、ガンマカメラで撮影すると、 骨の炎症や腫瘍、臓器の異常、脳梗塞など、様々なことがわかります。目的により、骨シンチグラフィ、甲状腺シンチ、脳血流シンチなどと呼ばれます。 交通事故の場面では、低髄液圧症候群の検査にRI脳槽シンチが行われたり、頭部外傷の際に行われたりすることがあります。 |
肩引き下げテスト | 神経根牽引による症状の誘発テスト。ショルダーデプレッションテスト。shoulder depression test 患者が椅子に腰かけた状態で、頭を痛まない側に傾けると同時に、医師等が反対側の肩を押し下げます。 痛みがあれば陽性です。頸部の神経根などが圧迫されていることが考えられます。 |
ガドリニウム(Gd)MRI | Gadolinium ガドリニウムは64番元素の金属。MRIの造影剤として使われる。この化合物を造影剤として使用すると、MRI画像がより鮮明に描写されます。 ガドリニウム造影脳MRIによる硬膜下腔拡大、硬膜増強効果などは、低髄液圧症候群の髄液漏れを示唆するものとされています。低髄液圧症候群の画像診断は、 他にRI脳層シンチ、MRミエログラフィーが行われています。 |
カパンジー法 | Sauve-Kapadji 手関節の安定などを図るために、切除しても機能にほとんど影響のない尺骨の一部を離断して適切な位置に固定 したりします。尺骨が離断されるために偽関節となりますが、硬性補装具を通常必要としないものであることから、偽関節が 骨幹部や骨端部にできた場合も含め、労災認定基準では、第8級とは認定されず、後遺障害12級とすることが妥当とされています。 |
カルテ | 患者の症状や経過等が記載されます。例えば風邪をひいて病院に行きますと、医師は診察しながら 症状や体温、どのような処置をしたかをなどを記録していき、次回来院時にはそれを確認しながら診察をします。 例えば心因性の疑いがある場合などは、医師の率直な考えが記入されていたりする事もありますので、医師はその開示には消極的でしたが、 個人情報保護法の施行で開示は義務と考えられるようになっています。保存期間は5年です。 |
ガレアッチ脱臼骨折 | 橈骨骨折に尺骨遠位端の脱臼骨折を合併したもの。 |
観血手術・観血術・観血的治療 | 皮膚や筋肉を切開して行なう手術。手術療法。(⇔保存的治療) |
看護記録 | 看護職員が患者の状態等を記録したもの。 |
冠状面 | CTなどの撮像方向。水平面のこと。冠状横断面。 |
眼窩 | orbit 眼窩 眼球が収まっているくぼみの部分をいいます。交通事故では眼窩骨折がしばしば見られます。 眼窩と一口にいいますが、上壁、下壁、外壁、内壁などのように分けて考えることができます。 眼窩骨折は、視力障害を伴うことが多いです。顔面を強く打つと、眼窩内の圧力が高まり、骨の薄い眼窩下壁部が骨折して 下方に落ち込みます。 それが眼窩底吹き抜け骨折です。重症の場合、上方視が制限され、複視もみられます。 |
眼振(がんしん) | 眼球振盪。nystagmus 意思に反して眼球が規則的な動きをします。水平、垂直、回転眼振など、様々なパターンがあります。 上方、正面、下方、あるいは右方、左方など、どの方向を見ると眼振が起こるか、また、眼振の方向は水平か垂直か、あるいは 回転性か、そのほか頻度や振幅、めまい、耳鳴りなどの有無などが観察されます。交通事故で、眼振が後遺症として残った場合は、 その原因により12級に認定される場合もあります。 |
関節鏡 | 関節内部をモニターテレビを介して、直接視認することができます。直接損傷部を確認することができるため、MRIなどではわからない 軟骨や半月板などの損傷も確認できます。ただし、MRIに比べれば人体への侵襲が強いため、この検査がおこなわれるのは、限られた場合だけになるようです。 関節鏡を見ながら行う、低侵襲の手術も多く行われています。 |
関節拘縮 | 関節の可動域の制限された状態をいう。関節包や靭帯の癒着などによって起きる。 |
関節弛緩 | 関節の可動域が過剰だったり、異常な方向へ可動する状態。関節包や靭帯の断裂などによって起きる。 |
関節造影 | 画像検査で造影剤を用いて、観察したい軟部組織などを増強する手法。arthrography 半月板や関節軟骨の検査、関節周辺の様々な病変の検査に使われます。水溶性の造影剤を使用し、注射器で 関節腔に注入します。通常の検査ではわかりにくい病変を確認することが可能です。 交通事故外傷では、MRIの進歩に伴い、レントゲンを使用した関節造影の出番は減少しているということです。 肩、手首、膝関節などで行われることが多いです。 |
関節不安定性 | 靭帯が損傷し関節に異常な運動が認められる場合をいう。 |
関節包 | 関節の骨端を被う線維性の結合織。内層は滑膜。関節腔には滑液が貯留する。 |
偽関節(ぎかんせつ) | 偽関節とは、骨折した部位の癒合の進行が止まってしまい、正常に癒合しない状態で骨髄腔が閉鎖された状態をいいます。 本来曲がるべきでない部位が、骨折のために曲がってしまうために、偽関節と呼ばれています。交通事故では 偽関節となった部位によって後遺障害等級が異なってきますので、注意が必要です。 |
ギプス | ギプスとは石膏の意。 |
ギプスシーネ | シーネとは添え木のこと。副子。 |
ギプスシャーレ | 固まったギプスをカットして半分だけ使う等。 |
記銘力 | 新しく物事を憶える力。交通事故で高次脳機能障害になりますと、記銘力が低下したりします。記憶には様々な分類があり、記憶障害の内容によって 検査方法も変わります。例えば前向健忘の検査では、ウェクスラー記憶検査やベントン視覚記銘検査、逆向健忘の検査では、自伝的記憶検査 等があります。 |
ギャッチアップ | ベッドの背を立てて、椅子のように上半身を起こした状態にすること。 |
急性期 | 頚椎捻挫では受傷後2~4週間、厳密には決まっていません。外傷による組織の損傷から 炎症反応が進展、持続する期間であるといわれています。 |
胸郭出口症候群 | thoracic outlet syndrome 胸郭出口症候群とは、胸郭付近の神経絞扼や血管の圧迫により引き起こされる、様々 な症状が出現する疾患のことをいいます。モーレイ、アドソン、ライト、エデン等のテストにより症状の誘発が見られる。 頸部痛、肩から上肢にかけての痛み、痺れなどの頚椎捻挫と似た症状が出るために、交通事故の被害者の場合、 頚椎捻挫と診断され、胸郭出口症候群という診断がされるまでに時間がかかる場合があります。 |
キルシュナー鋼線 | 直達牽引や骨の内固定などに使われる鋼線。 |
近位 | 四肢では体幹に近いほうが近位。(⇔遠位) |
筋電図検査(EMG) | electromyography(EMG) 電気生理学的検査は、針筋電図と誘発筋電図があります。針筋電図では筋力低下の原因の鑑別や損傷神経の特定が可能です。 誘発筋電図は、末梢神経を電気刺激し、活動電位を測定します。それにより神経障害の程度の評価を行ないます。 |
頚肩腕症候群(くびかたうで) | 頭部、頚部、肩甲部、背部、上肢にしびれ、痛みなどを訴えるが、原因は特定できない場合などにつけられる事のある病名。 頚・肩・腕・手指などのこりや痛み、脱力感などの症状がでますが原因は特定できないようです。古くはキーパンチャーなどの 職業病として注目されていました。交通事故でもこのような診断名が書かれることがあります。定義を「上肢を同一肢位に保持 又は反復使用する作業により神経・筋疲労を生ずる結果起こる機能的あるいは器質的障害」とする説もあります。 |
クモ膜 | (→硬膜) 大まかには、頭蓋骨または脊柱、硬膜、クモ膜、クモ膜下腔(脳脊髄液はここを流れる)、軟膜、脳実質または脊髄白質の順で構成される。クモ膜下出血はクモ膜下腔に出血が起こり、脳脊髄液に血液が混入した状態をいう。 |
クラウン | 被せ物、差し歯のこと。損傷が小さく、インレー(詰め物)やポストインレーを行なうに留まる歯牙は、後遺障害等級認定の補てつ歯には含まれませんが、クラウンは含まれます。 レジン(白いプラスチックのようなもの)や合金を使うのが普通です。その形態により、鋳造冠、前装鋳造冠、ポストクラウン、スリークォータークラウン、ジャケットクラウン などの名称があります。材質により、メタルクラウン、メタルボンドクラウン、オールセラミッククラウンなどと呼ばれます。 |
クラッチフィールド牽引 | 頭蓋直達牽引療法。頚椎脱臼骨折の治療などで行なわれる。頭蓋骨にピンを刺して金具を固定し、錘をつけて牽引します。脱臼骨折などで、ずれた頚椎を整復するのに使われます。 骨折の状態に応じ、枕の位置や錘の重さを調節します。 |
クラビクルバンド | 鎖骨骨折の治療に使われる装具 |
グリソン牽引 | 頚部の介達牽引。ベルト状のもの(係蹄)を顎と後頭骨に装着して、錘をつけて牽引します。頚椎症などの神経症状がある場合に行われることがあります。 椎間板が除圧され、周辺組織の症状の回復を促進します。 頸椎の脱臼、骨折時の整復には、牽引力の高いクラッチフィールド牽引などが行われます。 |
クローヌス | clonus 神経学的検査方法のひとつです。筋肉や腱を急激に他動的に伸張させ、筋肉の収縮が反復して生じると陽性とされます。膝蓋クローヌスと足クローヌスがあり、 これらの病的反射は、錐体路障害を示唆するものといわれます。 |
脛骨後方落ち込み徴候 | 後十字靭帯のテスト。 |
頚椎症 | 椎間板の変性、ルシュカ関節、椎間関節の退行性変化、靭帯の変性・骨化などから起こる脊椎間の不安定性の出現、血行障害など。 頚椎捻挫、外傷性頸部症候群などと似た病名ですが、頚椎症といわれる場合は、加齢による変性が関与しているのが普通です。 したがって若年者にはあまり見られません。 頸部や腕、手指などに痺れがでたりすることがあります。 |
頚椎捻挫 | cervical sprain 頸部周辺の軟部組織の損傷により引き起こされる、様々な病態です。数日で治るケースもあれば、数ヶ月から 数年症状が残ることもあります。一般的にはひとくちにむち打ち症と呼ばれることが多いですが、症状などから考えられる原因別に、 いくつかに分類されえます。多くの場合、薬物や物理療法により治癒しますが、一部は症状が残り、後遺障害の認定を受けます。 症状固定までに適切な治療経過をたどっていなかったと思われるケースも多く、そのようなケースでは適切な等級の評価がなされない場合もあります。 |
血腫 | 出血した血液のかたまり。 |
結髪(けっぱつ) | 上肢を後頭部に持っていく動作。肩関節機能のチェック。 |
腱 | 骨と筋肉の付着部の軟部組織。 |
腱鞘炎 | tenosynovitis 腱鞘とは腱を包み込む膜であり、通常は腱と腱を取り囲む組織との間のすべりを良くする機能を持つが、これが炎症を起し疼痛を訴える。 腱鞘炎というとキーパンチャーなどが指を繰り返し酷使して発症するというイメージがありますが、 交通事故外傷でも発症することがあります。例えば歩行中の人の手に、自動車のサイドミラーが強く当たったケースで、 当初は打撲と診断されていたが、後に腱鞘炎とされ、腱鞘を切開する手術を行なうという例もあります。 |
検体検査 | 血液、尿、脊髄液などを用いる検査。 |
腱反射 | 深部腱反射。錐体路障害や末梢神経障害の診断の目安とする神経学的検査。 腱をハンマーなどで叩くと、付着した筋肉が反射的に動きます。亢進、減弱、喪失などの程度により、神経障害が中枢神経の障害か、末梢神経の障害か を鑑別することが可能です。上腕二頭筋反射、上腕三頭筋反射、橈骨反射、ワルテンベルグ反射、ホフマン反射、トレムナー反射などの方法があります。 |
腱板断裂 | 腱板とは肩関節のの肩甲下筋腱、棘上筋腱、棘下筋腱、小円筋腱からなる筋腱。腱板が断裂すると肩の運動痛、夜間痛などを訴える。 腱板の中でも棘上筋腱の部分がもっとも断裂を起こしやすい部分といわれています。交通事故では、医師とのコミュニケーションがよく取れていない場合などに、 断裂が見落とされているケースがあり、後遺障害等級認定で問題になることがしばしばあります。 基本的に保存療法が行われますが、断裂の程度が大きい場合は手術をする場合もあります。 |
高位 | 脊椎、脊髄等の位置関係を指す。例えば『椎間板ヘルニアの診断は、画像によるヘルニアの高位と、神経学的高位が一致することにより確定診断となる』など。 |
交感神経 | 人間が自分の意思でコントロールできない自律神経には、互いに相反作用をもつ交感神経と副交感神経とがあります。 例えば血圧は、交感神経の作用で上昇し、副交感神経の作用で低下します。心拍数は交感神経の作用で速くなり、副交感神経の作用で 遅くなります。二つの神経系のバランスが正常に保てなくなり、様々な症状が出現するのが、自律神経失調症です。 |
光覚弁 | 暗室で眼前で照明を点滅させ、明暗が判別できる視力。後遺障害認定上は失明と同視される。 |
高次脳機能障害 | 脳の損傷により記憶力、注意力、集中力などが低下し、日常生活に支障が出る障害。頭部外傷後、社会復帰するも、記憶障害や性格の変化により生活上支障をきたすことがあります。 比較的経度の記憶障害のみのケースもあれば、一人では外出もできないようなケースまで、障害の程度は様々です。 後遺障害等級の妥当性や損害の評価は、一般の方では理解しにくいことが多いと思いますので、必ず専門家の意見を聞きましょう。 |
後縦靭帯骨化症(OPLL) | 後縦靭帯は椎体の後ろ側に位置する靭帯です。これが骨化することなどにより、脊髄を圧迫して、痛みや痺れ、麻痺などを引き起こします。 交通事故では、既往症として問題になる場合があります。事故後の診察でOPLLと診断されると素因減額を主張されることが多いですが、ケースによっては 減額が妥当でない場合もありますので、自分の場合はどうなのか、しっかりと把握することが大切です。 |
項部 | 後頚部、うなじ。 |
硬膜 | (→クモ膜) 大まかには、頭蓋骨または脊柱、硬膜、クモ膜、クモ膜下腔(脳脊髄液はここを流れる)、軟膜、脳実質または脊髄白質の順で構成される。急性硬膜外血腫は頭蓋骨と硬膜の間の血管の損傷により出血がおきる。早期治療がなされれば予後は良い。急性硬膜下血腫は硬膜とクモ膜の間の出血。死亡率が高い。 |
亢進 | 高ぶり。腱反射(深部反射)の評価。著しい亢進は++、亢進は+、正常は○、減弱は±、消失は-で表される。 |
後方引き出しテスト | 後十字靭帯のテスト。 |
絞扼性神経障害(こうやくせい) | 末梢神経の走行が、周辺組織などによって害されたことによって引き起こされる神経障害です。肘部管症候群、手根管症候群、 ギヨン管症候群、胸郭出口症候群なども絞扼性神経障害です。 |
骨萎縮 | bone atrophy 局所性の骨吸収の亢進によって発生します。交通事故では後遺障害の認定時に、他覚的所見のひとつとされます。RSDが発症した場合の ズーデック骨萎縮(sudeck)は、骨の皮質が希薄化する疾患です。 |
骨幹部 | 長管骨の中央部の管状の部分 |
骨幹端(こっかんたん) | 骨幹と骨端の境目。 |
骨棘(こっきょく) | osteophyte 骨棘とは、関節辺縁部に見られる骨のトゲのことで、何らかの付加により、軟骨が肥大増殖したものが骨化したものともいわれています。 交通事故では、しばしば脊椎椎体の骨棘が問題になります。骨棘が症状の原因となっている場合は素因減額の可能性もありますが、症状とは無関係の場合もあります ので、注意が必要です。 |
骨髄炎 | osteomyelitis 骨組織が感染し、膿を出したりします。交通事故では開放性骨折の場合に菌に感染し、骨癒合を妨げたり、偽関節の原因となったりします。 急性化膿性骨髄炎では、疼痛のほか発熱、悪寒、倦怠感などの症状が見られます。 |
骨折 | 不全骨折は骨梁の連続性は立たれているが、骨全体の連続性は保たれている状態で、亀裂骨折が一例。 粉砕骨折は骨片の多いもの。単純骨折(閉鎖性骨折)は皮膚が断裂していないもの。複雑骨折(開放性骨折)は皮膚が断裂して骨折部が露出するもので、感染の危険が高い。 交通事故でよく目にしますのは、鎖骨骨折です。自転車と自動車の事故で鎖骨を骨折される方が多いように感じます。 鎖骨は、その中央部付近から折れることが多いようですが、遠位端や近位端が骨折することにより、手術適応になったり、 関節に後遺症を残したりする場合があります。鎖骨骨折の場合、普通はクラビクルバンドによる保存療法がとられることが多く、その場合、変形治癒は珍しいことでは ありません。体幹骨の変形は後遺障害12等級となる事がありますが、それだけでは逸失利益の請求が難しいことがあります。遠位端骨折の場合は 関節機能障害等が残る事も珍しくはありません。 次に多いのは、上肢や下肢の骨折でしょうか。大腿骨骨折など重傷を負ったにもかかわらず、順調に回復して後遺障害が残らないようなケースもあります。 後遺症が残らなかったのですから、本来は『良かった』といえるはずなのですが、その場合は後遺障害についての慰謝料などは請求できませんので、当然保険金の 総額は低いものになります。保険会社からの提示額を聞いて、びっくりされる被害者の方も多いです。ただ、その中には、骨折の場合は実通院日数が少ないのが普通であるため、 入通院慰謝料の計算さえも不当に低額に計算されているようなケースもありますので、後遺障害がないのだから仕方がない、と早合点しないようにしましょう。 |
骨粗鬆症 | osteoporosis 骨量が減少し、骨の微細構造が劣化したために、骨が脆くなり骨折しやすくなった病態と定義されています。閉経後の女性ホルモンの 減少が骨形成と骨吸収のバランスを崩して進行するため、高齢の女性に特に多くみられる疾患としても有名です。交通事故では、骨折した高齢の被害者の骨癒合が遷延化 した場合に、素因の競合を主張される場合があります。安易に骨粗しょう症の診断がされている場合は、鑑別診断が重要となります。 |
骨端部 | 長管骨の両端 |
コブ法 | cobb法 X線写真による脊柱の側弯度判定方法。コブ法による後弯、側弯度により、せき柱の変形、運動障害の等級が認定されます。エックス線で脊柱を観察し、変形(カーブ)の上方および下方に おいて、それぞれ水平面から最も傾いている椎体を求め、水平線が交差したところの角度を計ります。交通事故では脊椎に圧迫骨折や脱臼等が発生する場合があり、 それが原因となって後弯等が発生します。程度により6級又は8級に認定されます。一般にコブ法による角度が20~30度であれば衣服を着用していれば外部から はほとんどわからないといわれ、80度以上では肺機能に障害が発生しやすくなるといわれています。 |
ゴールドマン型視野計 | 後遺障害認定では、これを使って視野を測定する。かつて視野障害の等級認定にはフェステル視野計が使用されておりましたが、フェステル視野計が医療機関で使用されなくなり、 ゴールドマン視野計が普及していることから、後遺障害等級認定の視野測定にはゴールドマン視野計を用いることとされました。 ゴールドマン視野計による検査は、動的視野検査といい、上下左右の視野の広がりを調べます。これに対してハンフリー視野計は、 静的視野検査といい、中心部を調べることにより、緑内障の診断に使用されています。なお、視野狭窄とは、V/4指標による8方向の視野の 角度の合計が、正常視野の角度の60%以下になった場合をいいます。 |
混合性難聴 | 伝音性難聴(鼓膜や外耳、中耳に障害)と感音性難聴(内耳神経等に障害)が併存するもの。 |
さ行
作業療法 | occupational therapy(OT) 身体障害や精神障害のリハビリテーションとして行われます。日本作業療法士協会により 『身体又は精神に障害のある者、またはそれが予測される者に対し、その主体的な活動の獲得を図るため、諸機能の回復、維持及び 開発を促す作業活動を用いて治療・指導・援助を行うこと。』と定義されています。 食事のとり方から洗濯、調理など、その人にあったADL訓練も行われます。 |
挫傷 | 皮膚は断裂していないが筋肉繊維や腱を損傷したもの。内臓や脳を損傷したときも挫傷という言葉が使われる。 |
嗄声(させい、かせい) | かすれ声のこと。 |
挫創 | 創は皮膚が断裂して皮下組織が露出したもの。 |
サーモグラフィー | 血行障害や自律神経機能の検査に用いられる。 |
ジオプトリー(D) | 眼球の調節力を表す単位。 |
視覚誘発電位(VEP) | visual evoked potential 視覚路の障害を客観的にとらえることができる検査方法です。視覚に閃光刺激や図形反転刺激を与え、脳波の反応を見ます。 交通事故では視力低下がのこった場合に、器質的な原因があるかどうか調べる場合に検査が行われることがあります。 網膜電位も合せて行なわれる場合があります。 |
軸索 | 神経細胞の部分である神経線維。 |
趾骨(しこつ) | 足の指骨。 |
指数弁 | 指の数を数えさせ、正答できる最長距離により視力を表す。 |
歯突起 | 軸椎(C2)の突起。 |
耳鳴(じめい・みみなり) | 難聴に伴い発生することが多い。治療法は確立されておらず、長期間継続するとされる。ピッチ・マッチ検査、ラウドネス・バランス検査、遮蔽検査などにより確認される。 |
視野 | 眼前の一点を見つめていて、同時に見える外界の広さ。 |
視野狭窄 | 視野周辺の狭窄。同心性狭窄と不規則狭窄がある。 |
視野変状 | 半盲症、視野欠損、視野狭窄、暗点のこと。 |
ジャクソンテスト | Jackson test 頚椎神経根部に圧迫を加えて症状を誘発します。頭部を痛む側に傾け、かつ、後屈位で上から圧迫を加えます。 上肢に痛みが再現されれば陽性です。頚椎捻挫の被害者に行なわれるポピュラーな検査ですが、後遺障害等級認定上は 陽性であっても他覚的所見とは評価されません。 |
自由診療 | 交通事故で病院に行きますと、通常は自由診療という取扱がされ、健康保険は使用しないのが当たり前という流れになることが多いです。 交通事故では治療費も加害者が賠償するのが筋であり、健康保険は保険加入者の利益のために運営されているので、加害者の負担を減らすために 機能しているのではないから、健康保険を使用するのはおかしいという考え方があるからです。健康保険では患者は一部の自己負担だけで、 治療が受けられますが、自由診療では全額を自己負担しなければなりません。したがって、被害者の過失が大きいときは健康保険の使用を考えるべきです。 因みに自由診療と保険診療を併用する場合を混合診療といいます。 また、自由診療では、保険診療では使えない医薬品などを使用できるなどのメリットがある場合もあります。 |
柔道整復師 | 柔道整復師法による国家資格者です。ほねつぎ、接骨師、整骨師ともいわれます。 打撲、捻挫、挫傷、骨折、脱臼などの施術をします。 手技によって整復や固定等を行い、自然治癒能力を高めるといわれています。 打撲や捻挫は医師の同意書なしで健康保険の適用ができます。 レントゲン撮影や薬の処方はできません。 交通事故で頸椎捻挫、腰椎捻挫、打撲などの怪我をした場合、お世話になる被害者は多いようです。仕事を持っている人は、整形外科の診療時間に間に合わないことも多く、 近所の遅くまでやっている接骨院等で治療を受けるのです。評判の良い整骨院等では、整形外科に通院した時より良くなったという声が聞かれるくらい手技に長けた先生もいるようです ので、そのために整骨院等を選ぶ方もいらっしゃいます。 短期間で治癒する場合は、整骨院等に数ヶ月通院して完治して終わりということもありますが、痛みが長引く場合は、整形外科にも並行して通院しておくべきでしょう。 |
羞明(しゅうめい) | まぶしいこと。 |
手動弁 | 掌を眼前で上下左右に動かし、動きの方向を弁別できる能力。後遺障害認定上は失明と同視される。 |
受傷機転 | 受傷の原因となった外力の方向や、作用部位など。 |
腫瘍(しゅよう) | 組織や細胞が、病的に増殖したもの。 |
上位頚椎 | 第1・第2頚椎のこと。 |
消炎鎮痛剤 | NSAID 非ステロイド系消炎鎮痛剤。解熱剤、痛み止めなどともいわれています。頚椎捻挫の治療中によく処方されます。 症状を抑える薬です。漫然と長期間にわたり使用を続けるのは、ケースによっては好ましくないという見方もあります。 |
症状固定 | 傷病に対して行なわれる医学上一般に承認された治療方法をもってしても、その効果が期待し得ない状態。 |
褥瘡(じょくそう) | bed sore 「床ずれ」とも呼ばれます。脊髄損傷などで寝たきりの状態になると、血流障害などから皮膚潰瘍が発生します。重度のものになると深部筋腱膜に潰瘍が達し、 骨関節にも炎症が及び、手術が必要になる場合もあります。 褥瘡は栄養管理、清潔さの維持、こまめな体位変換により予防します。仙骨部や大転子部に多くみられます。 |
踵足(しょうそく) | 足部の変形。足関節が背屈位に変形。 |
植物状態 | 植物状態ともいいます。 自力で移動ができない。自力で食べ物を摂取できない。糞尿失禁状態がある。 目で物を追うが認識できない。簡単な命令には応ずることもあるが、 それ以上の意思の疎通ができない。声は出すが意味のある発語はできないなどの状態が継続します。 交通事故処理では余命短縮や生活費控除などが問題となる場合があります。 |
ショルダーデプレッションテスト | 神経根圧迫による症状の誘発テスト。肩引き下げテスト。 |
自律神経 | 呼吸や体温調節など、意思とは無関係に働く神経系のことをいいます。 自律神経が障害されると、次のような症状が見られます。自律神経は交感神経と副交感神経に分類されますが、交感神経の障害により、発汗機能の障害が認められます。 交感神経が遮断されると、支配領域の血管が拡張して皮膚温が上昇する場合があります。皮膚萎縮や爪、骨の萎縮が見られる場合もあります。 自律神経検査には、発汗検査のコバルトクロライド法やサーモグラフィーなどがあります。 |
神経根 | 前根は運動神経、後根は知覚神経。脊髄から末梢神経が枝分かれして出て行く根元の部分。 頚椎はC1からC7まで7つの骨で構成されています。椎体同士が椎間板を挟んで連結しており、椎体の背中側は脊柱管があり、脊髄が通っています。 各頚椎の間をとおって、脊髄からそれぞれ神経根が伸びています。神経根がヘルニアなどの何らかの原因で圧迫(radiculopathy)されますと、 支配領域の神経症状が見られます。交通事故では追突などにより頚椎捻挫と診断された場合に、長期間神経根症状を残すケースがあります。 |
神経節 | 神経細胞と神経繊維が集まって太くなった部分。 |
神経叢(しんけいそう) | 叢はむらがるという意味。腕神経叢麻痺などの診断名がつけられる事がある。腕神経叢は頚椎と胸椎の五つの神経根から分岐し、それぞれの神経線維が集散を繰り返して上肢に向かう。 |
神経伝導速度検査(NCV、MCV、SCV) | 末梢神経の損傷診断に有用。 |
神経ブロック療法 | 神経に局所麻酔剤を注射し、鎮痛、除痛や血行改善により痛みの悪循環を断つとされる。 星状神経節は頚部交換神経節とも呼ばれています。ここにブロック注射をすると、自律神経系の異常からくる様々な症状に効果があるといわれています。 交通事故ではバレーリュー症候群やRSDに有効とされており、ペインクリニックでこの治療を勧められることが多いです。 これらの疾患は、心因性の要因が絡んでいて症状を頑固にしている場合もあると考えられているため、保険会社から治療の相当性につき、指摘を 受ける場合が散見されます。ブロック療法の治療費が高額というのも原因の一つかもしれません。 |
靭帯 | 骨と骨をつなぎ、関節を形作る軟部組織。 |
診断書 | 診断若しくは検案をし、または出産に立ち会った医師は、診断書若しくは検案書または出産証明書若しくは死産証書の交付の求めがあった場合は、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。医師法第19条 |
深部腱反射 | deep tendon reflex 腱を叩いて筋肉の瞬間的な伸張を観察します。下顎反射、上腕二頭筋反射、橈骨反射、上腕三頭筋反射、胸筋反射、 膝蓋腱反射、アキレス腱反射など。脊髄レベルの障害(錐体路障害)では反射は亢進し、馬尾や末梢神経レベルでは消失もしくは減弱します。 消失(-)、低下(±)、正常(+)、やや亢進(++)、亢進(+++)、著明な亢進(++++)と記録されます。 |
診療所 | 入院設備がないか、または入院ベッドが19床以下で、外来医療を中心とする。 |
診療報酬明細 | (レセプト、レセ)診療報酬の明細書。治療内容、薬剤、単価などが記入されている。 |
診療録 | (=カルテ)医師は診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。医師法第24条 |
髄液(脳脊髄液) | 脳脊髄は髄液に半ば浮いた状態で包み込まれ、外部の衝撃から保護されている。 |
髄内釘 | 骨折治療に使われる金属。 |
水平面 | MRIの撮像方向。横の断面(輪切り)。 |
髄膜炎 | 脳のクモ膜下腔に炎症が生じること。 |
辷り症(すべりしょう) | 椎体にずれが生じ、脊髄を圧迫して神経症状が出る。 |
スパーリングテスト | Spurling test 頚椎神経根部に圧迫を加えて症状を誘発します。頭部を痛む側に傾け、上から圧迫を加えます。 椎間孔が狭められ、上肢に痛みが再現されれば陽性です。頚椎捻挫の被害者に行なわれるポピュラーな検査ですが、後遺障害等級認定上は 陽性であっても他覚的所見とは評価されません。 |
整骨院 | 国家資格者である柔道整復師の施術所。接骨院。 |
星状神経節 | 頚部で一番大きい交感神経節。 |
整体 | 国家資格ではない医業類似行為。 |
生体検査 | 筋電図、関節鏡、生検による病理検査など、患者の生体機能を直接、検査の対象とする。 |
セカンドオピニオン | 対診(たいしん)。現在受診している医師とは別の医師の診断を受け意見を求めること。 |
脊柱 | 頚椎(cervical spine)、胸椎(thoracic spine)、腰椎(lumbar spine)、仙椎(sacrum)、尾骨(coccyx)からなっている。 |
脊柱管狭窄症 | spinal canal stenosis 脊椎の脊柱管が狭まり、脊髄を圧迫します。加齢による変性を原因とすることが多く、椎間関節や靭帯などの肥厚等が 脊髄を圧迫するといわれています。痺れや痛み、脱力などが見られます。歩行中誤って転倒するケースなどもあります。装具を用いたり、神経ブロック 療法がとられたりしますが、症状が進行する場合などは、脊柱管拡大術などの手術療法がとられます。 交通事故では、脊柱管狭窄の既往がある人の場合、後遺障害認定や治療期間などで争いが起きやすいです。 |
線維筋痛症 | Fibromyalgia 原因不明の全身慢性疼痛と表現されています。症状が重ければ、就労が困難となることもあります。 症状は様々ですが、痛みや痺れなど頚椎捻挫に見られるのと同じ症状も多く、交通事故でこの診断名がつけられることは少ないでしょう。 仮に線維筋痛症という診断を受けたとしても、外傷を原因として発症するケースもあるとの報告もありますが、必ずしも一般的な見解とはいえないようで、 事故と発症の因果関係につき争いになる可能性が高いといえるでしょう。 |
穿刺(せんし) | 注射の針を刺すこと。 |
尖足 | 足部の変形。足関節が底屈位に変形。 |
前方固定術 | 頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症などで行なわれる手術療法です。頚椎の前方より、気管や食道をよけて、椎体を削り、 脱出した椎間板や骨棘を切除します。それにより脊髄や神経根の圧迫を取り除くというものです。 その後、骨移植等を行い、上下の椎体を結合固定します。骨盤骨からの骨移植のほか、人工骨を使用したり、金属性の 固定具を使用する事もあります。 |
前方引き出しテスト | 前十字靭帯のテスト。 |
前弯減少 | 頚椎は正常像では前弯しているが、この生理的弯曲が減少しているもの。前弯減少、前弯消失などと診断される。頚椎捻挫を原因として発生する場合もあるが、体質的なものも多い。 |
ソーシャルワーカー | 患者の抱える問題のうち医療費、介護や福祉行政などに精通している。病院に在籍している場合がある。 |
た行
体性感覚誘発電位(SEP) | somatosensory evoked potential 感覚障害の有無を客観的にとらえることができる検査方法です。末梢神経に電気刺激や機械的刺激を与え、脳波の反応を見ます。 上肢の正中神経や下肢の総腓骨神経あるいは後脛骨神経を刺激し、末梢から脊髄、大脳皮質までの障害レベルを推定します。知覚障害や運動麻痺が残る場合に 行なわれる事があります。 |
対症療法 | 表面的な症状の緩和を目的とした治療法。苦痛を軽減させ、自然治癒力に期待する。 |
他覚的所見 | 医学上は画像所見の他、筋電図検査、神経根圧迫刺激テスト、腱反射なども他覚所見とされるが、自賠責後遺障害等級認定の実務では画像所見が偏重される。 |
第三骨片 | 骨折の際にできた骨のかけらのこと。 |
大腿骨頭壊死 | 大腿骨頭の骨折により支帯動脈が断裂して発生する。 |
脱臼 | 関節が外れた状態。亜脱臼は関節面が一部接触している状態。 |
打撲 | 傷口を伴わない、軟部組織の損傷。 |
注視野 | 頭部を固定して、眼球を運動させて直視することのできる範囲。 |
中心性脊髄損傷 | 脊髄の中心付近が損傷を受けたもの。上肢に行く神経線維は中心より、下肢に行くものは外側よりにあるので、中心部の損傷が激しい場合は上肢の症状が重くなるとされる。 |
中枢神経 | 脳と脊髄神経で構成される。 |
肘部管症候群 | cubital tunnel syndrome 尺骨神経が肘の内側で圧迫されることなどにより引き起こされる絞扼性神経障害。尺骨神経は肘部管の中を 走行していますが、骨棘等の経年性の変化や外傷などによりこれが圧迫され、支配領域に痺れなどの症状を引き起こします。 麻痺が進行すれば小指や環指に鷲手変形を生じる事もあります。交通事故では、肘部管症候群は頚椎捻挫と似た症状を呈することから、適切な 治療が選択されず、長期間放置される例が散見されます。 |
超音波検査 | 超音波を発信し、戻ってくる反射波(エコー)を分析し画像化する。 |
聴覚誘発電位・聴性脳幹反応(ABR) | auditory evoked potential 聴覚性伝導路の障害を客観的にとらえることができる検査方法です。聴覚にクリック音刺激を与え、脳波の反応を見ます。 脳幹から誘発される遠隔電場電位は特に聴覚脳幹電位と呼ばれ、もっとも多く用いられます。 脳幹機能を評価できるため、脳死の判定に利用される場合もあります。 |
直達牽引 | direct traction 牽引療法は筋緊張や炎症の沈静化、骨折の整復などの目的で行われます。直達牽引は鋼線牽引といって、 長管骨にキルシュナー鋼線を刺して行うものや、頭蓋骨にピンを刺して牽引する、クラッチフィールド牽引などがあります。 |
椎間板 | 上下の椎体を連結している線維軟骨。 |
槌指(つちゆび・ついし) | 突き指のこと。 |
低髄液圧症候群 | (=脳脊髄液減少症) |
ディスコグラフィー | 椎間板造影法 髄核の変性、線維輪の亀裂や損傷、椎間板ヘルニアの有無を確認する。 |
ティンパノメトリー | 圧力をかけて鼓膜の動きを観察する検査。 |
デブリドマン | 創面清掃 |
デュークシンプソン装具 | 半月板損傷の治療などに使われる装具。 |
てんかん | 外傷性てんかんは、1、外傷以前に発作の既往のないこと。2、外傷以外に頭蓋内にてんかんを起こすような病変のないこと。3、脳の損傷を起こしたこと。4、最初の発作まで長期間を経過していないこと等の条件を満たした場合に外傷性のてんかんといえる。硬膜損傷を伴う脳損傷では2~30%にてんかん発作が見られるといわれる。 |
転帰(てんき) | 診療報酬明細書に記載欄がある、傷病の経過や結果のこと。中止、継続、治癒、転医、死亡がある。 |
電動間欠牽引 | 椎間板ヘルニアなどの治療に使われる。 |
同意書 | 通常は医療同意書を指す。診断書やレセプトを第三者が取得する場合、医療機関に提出を求められる。 |
動揺関節 | 異常な関節運動が見られる関節。 |
兎眼(とがん) | lagophthalmos 兎眼 顔面神経麻痺のためにまぶたが正常に閉じれなくなる場合があります。 交通事故では、まぶたそのものを欠損して兎眼となる場合や、傷を負った後の瘢痕が原因となる場合もあります。 |
特別養護老人ホーム | 老人福祉法上の福祉施設のひとつ。身体または精神上著しい障害があり介護が必要な人が入所できる。 |
徒手筋力テスト | (としゅ=素手)筋力の低下を評価する検査法 |
徒手整復 | 骨折や脱臼を手の力で整復する手技。 |
トレムナー反射 | 上位運動ニューロン障害がある場合に出現する上肢の病的反射。 |
な行
内転足 | 足部の変形。前足部が水平面で内側へ向いた状態。 |
内反ストレステスト | 側副靭帯のテスト。 |
内反足 | 足部の変形。踵部が内方に回転。 |
内反尖足 | 足部の変形。踵部が内反し、足関節が底屈した状態。 |
ニューロン | 神経細胞のこと。 |
捻挫 | 関節の軟部組織の損傷。 |
脳死 | 深昏睡、自発呼吸の喪失、瞳孔固定、脳幹反射の喪失、平坦脳波、これらが6時間以上変化のないこと等の条件により判断される。植物状態とは異なる。 |
脳脊髄液減少症 | (=低髄液圧症候群)硬膜より脳脊髄液が漏れることにより神経や血管が引っ張られ、頭痛や眩暈、吐き気を起こすといわれる。 |
脳波検査(EEG) | 外傷性てんかんの診断に重要な検査。脳死判定にも使用される。 |
は行
跛行(はこう) | 歩行障害の事。 |
抜釘(ばってい) | 手術で体内に入れたスクリューや鋼線などを取り外すこと。 |
馬尾 | 脊柱管をとおる脊髄は、第一腰椎以下は馬尾(cauda equina)となる。 |
バビンスキー反射 | 上位運動ニューロン障害がある場合に出現する下肢の病的反射。 |
鍼・灸師 | 医業類似行為。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律による、国家資格者です。 鍼や灸によって皮膚や経穴に刺激を与え、様々な病気に効果があるといわれています。 健康保険は、医師が必要と判断して同意書の交付を受けることができれば適用可能です。 |
バレーリュー症候群 | Barre-Lieou syndrome むち打ち損傷により発症すると考えられるひとつの病態です。めまい、耳鳴、頭痛、視力障害、イビキ、嗄声などの自覚症状 がでますが、発生原因ははっきりしておらず、様々な説が存在します。主な説は、頚部交感神経緊張亢進説、椎骨動脈循環障害説、頚部軟部組織緊張亢進説、 脳幹障害説、末梢前庭障害説です。交通事故では、後遺障害等級認定でよく問題になります。辛い症状が続くにもかかわらず、満足な等級認定がされないという 訴えが多いです。バレーリュー症候群は、レントゲンやMRIで原因を証明することが困難であるということも、その原因のひとつになっています。 また、ストレスによって症状が悪化すると考えられており、治療が遷延化した場合は、因果関係の争いになる可能性もあります。 治療法としては神経ブロック注射が行われることが多いようです。バレ、リエウは、それぞれ人名です。 |
バレー徴候 | 上下肢の軽い不全麻痺を検査する方法。 |
反射性交感神経性ジストロフィー | (=RSD・CRPS) |
万国式試視力表 | ランドルトの環(С)の切れ目を見分ける検査法。 |
半盲症 | 視神経繊維がおかされ、両眼の視野の右半分または左半分が欠損するもの。 |
ピッチ・マッチ検査 | 耳鳴りの検査。 |
ピボットシフトテスト | 前十字靭帯のテスト。 |
瀰漫(びまん) | 一面にはびこり、満ちる。 |
病院 | 入院ベッドが20床以上あること。救急医療や高度医療を担う。(→診療所) |
病的反射 | 健常人には見られないが、皮膚表面の刺激で異常な指の動きが見られる。バビンスキー反射など。 |
表在反射 | 皮膚や粘膜に刺激を与え、筋肉の反射的収縮を起こさせる。反射の喪失は錐体路障害を意味する。 |
副交感神経 | 自律神経のうち、休養時の各器官の働きを調節する。瞳孔は縮小、血圧は低下、心臓の鼓動は遅くなるなど。 |
複雑骨折 | 皮膚が断裂して骨折部が露出するもので、感染の危険が高い。(=開放骨折) |
複視 | diplopia 複視 正常な状態では、左右の眼が同じように外界を見ているため問題はありませんが、複視というのは、左右それぞれが見つめる位置がずれているために、 二重になって見えてしまうことをいいます。自覚症状のほかhessチャートにより、その程度を計測することができます。後遺障害等級上では、正面を見ているだけで複視になっているもの、正面を見ている時は 正常だが、視線を上下左右に移動したときだけ複視の症状が出るものというように分類されています。 |
物理療法 | 温熱、水、赤外線、電気などにより鎮痛、局所血行改善などの効果がある。 |
浮腫 | むくみ。 |
プラシーボ効果 | 薬ではないブドウ糖などを投与しても、患者が薬であると信じ込むことによって一定の効果が見られること。偽薬。 |
ブラッドパッチ | 脳脊髄液減少症の治療法。硬膜外腔自家血注入法。硬膜外腔は硬膜の外側であり、髄液は硬膜の内側(クモ膜下腔)を流れている。 |
ペインクリニック | 痛みの治療を行なう。麻酔科。神経ブロック注射による治療。 |
ヘススクリーンテスト | 複視の検査方法。 |
ヘリカルCT | らせん状にスキャンすることにより、撮像を立体表示できるCT。 |
ヘルニア | ヘルニアとは臓器や組織が脱出する状態。脳ヘルニア、鼠径ヘルニア、横隔膜ヘルニアなどがあるが、交通事故でヘルニアといえば、椎間板ヘルニアのことを指すのが通常。椎間板ヘルニアは椎間板の線維輪から中の髄核が飛び出た状態。これが神経根や脊髄を圧迫して様々な症状を呈する。程度により、膨隆、突出、脱出、遊離などと表現される。 |
扁平足 | 足部の変形。縦のアーチが減少した状態。 |
蜂窩織炎(ほうかしきえん) | 骨折などの後にみられる感染症。事故後いったん退院したものの、再度入院手術となる場合がある。 |
ポジトロンCT | (=PET) |
保存療法・保存的治療 | 薬物や注射による治療。物理療法や装具療法なども。(⇔観血手術) |
ホフマン反射 | 深部腱反射が亢進している場合に見られる上肢の病的反射。 |
ホメオスターシス | 環境が変わっても機能を常に正常に保とうとする働き。恒常性。 |
ポリネック | ポリエチレン製の頚椎カラー。頚椎固定装具の一種。 |
ま行
マイクロサージャリ- | 顕微鏡下で行なわれる手術。 |
マクマレーテスト | 半月板損傷のテスト |
末梢神経 | 脊髄硬膜外から出ている部分。神経根の前根は運動神経、後根は知覚神経からなる。 |
麻痺 | 運動機能等が鈍くなったり、消失する事。 |
慢性期 | 頚椎捻挫においては、2~3ヶ月以降とかいう考えかたが多いようです。外傷による組織の損傷は修復されている時期といえます。 慢性期においても症状が喪失しないのは、単なる捻挫による軟部組織の損傷だけでなく、他の要因が影響しているという考え方もあります |
ミエログラフィ | 脊髄造影法 脊髄腔に造影剤を注入し撮影する。脊髄の圧迫レベルや狭窄状態の確認の為に行なう。 |
メニエール病 | 回転性眩暈、耳鳴、難聴、自律神経症状などの症状がある。内耳の病気。 |
メランコリー親和型 | うつ病になりやすいといわれている性格傾向。まじめ、几帳面、強い責任感を持つ。 |
モーレーテスト | Morley test 理学的検査。神経や血管を圧迫部位で直接押すことにより症状を再現させます。それによって斜角筋症候群を検査することができます。 胸郭出口症候群の検査方法のひとつです。 |
や~わ行
矢状面 | MRIの撮像方向。縦の断面。 |
ライトテスト | Wright test 理学的検査。アドソンテストと同じ意義を持ち、腕神経叢およびそれと一緒に走る血管が頚部で締め付けられていないかを調べるテストです。 腰掛けている患者の腕を外側に持ち上げていき椎骨動脈の拍動をチェックします。 |
ラウドネス・バランス検査 | loudness ラウドネスとは、音の感覚の三要素の一つで、音の大きさの事をいいます。ラウドネス・バランス検査には耳鳴検査装置が用いられます。耳鳴のピッチを調べてから、 その周波数音で検査が行なわれます。 |
ラセーグテスト | 坐骨神経等の異常を確認する神経の伸展刺激テスト。 |
ラックマンテスト | 前十字靭帯のテスト。 |
理学療法 | 物理療法、牽引療法、運動療法など。 |
ルシュカ関節 | 鉤椎(こうつい)関節。骨棘が形成されやすい。 |
ロキソニン | プロピオン酸系の消炎鎮痛剤 |
濾紙ディスク法 | 味覚の検査。 |
ワンテンベルク徴候 | 上位運動ニューロン障害がある場合に出現する上肢の病的反射。 |
英数
2DSE | 二次元スピンエコー法。MRIの撮影方法。 |
3DGE | 3次元グランジエントエコー法。MRIの新しい撮影法。 |
ABR 聴性脳幹反応検査 | auditory brain-stem response 聴覚神経を刺激し、脳幹部の電位を計測する検査です。額や耳たぶに電極を貼り付けて、電位を記録します。 数十分から一時間程度仰向けに寝た状態で計測します。じっとしていられない年齢の子供は、薬で眠らせてから計測します。 オージオーメーターによる通常の検査は、検査員の指示に従い、音が聞こえたらボタンを押すなどの操作を要求されるため、 それが難しい乳幼児に対する聴覚機能の検査に有用とされています。脳幹の反応を測定するものであることから、客観性も高いと考えられています。 |
ACL損傷 | 前十字靭帯損傷 |
ADL | ability of daily living 日常生活動作 |
ASL | 社会生活行為 |
CM関節症 | CM関節とは、手の親指の付け根(先から三番目)の関節のことをいいます。第一中手骨と大菱形骨の連結部分です。 CM関節症とは、CM関節の変形性関節症(OA)のことです。痛みや腫れが見られます。治療は湿布薬や装具による固定が行われます。 |
CR | X線写真をコンピュータ処理して画像化したもの。 |
CT | X線によるコンピュータ断層撮影法。単純X線検査と比較すると、三次元画像を作れることや、骨以外の組織の描写にもすぐれ密度分解能(異なる組織を識別する能力)が高い。 |
DIP関節 | 遠位指節間関節 |
DSM-Ⅳ | 米国精神医学会(APA)の精神疾患の診断基準。PTSD診断に使われる。 |
EBP | ブラッドパッチ。 |
EMDR治療法 | 催眠療法の一種。PTSDの治療方法。 |
GCS | グラスゴー・コーマ・スケール 意識障害の分類。世界各国で広く利用される。 |
hard disc | 椎間板ヘルニアが後方骨棘を合併して神経を圧迫している状態。 |
HDS-R | 長谷川式簡易痴呆スケール改訂版 |
ICD-10 | WHOの精神疾患の診断基準。PTSD診断に使われる。 |
IP関節 | 指節間関節 |
JCS | ジャパン・コーマ・スケール 3-3-9度方式による意識障害の分類。 |
LCL損傷 | 外側側副靭帯損傷 |
LM | 膝の外側半月板 |
MCL損傷 | 内側側副靭帯損傷 |
MM | 膝の内側半月板 |
MMT | 徒手筋力テスト |
MP関節 | 中手指節間関節 |
MPR | Multiplanar reconstruction 多断面再構成像。一定の断面画像をコンピュータ処理することにより、様々な方向から見た場合の画像を作り出します。 |
MRミエログラフィー | MRIの撮影方法。水成分を造影したような画像が得られる。 |
MRA | MRIによる血管撮影法。 |
MRI | 磁気共鳴画像診断。軟部組織間のコントラストが高い。造影はガドリニウムキレート剤が広く利用される。 |
MRSA感染 | 黄色ブドウ球菌による院内感染症。 |
MSW | ケースワーカー。医療ソーシャルワーカー。 |
MTP関節 | 中足趾節関節 |
myelopathy | 脊髄症状。 |
NSAIDs | 非ステロイド性抗炎症鎮痛薬 |
OA | Osteo-arthrities 関節への過負荷や加齢などによる変性により、関節軟骨の破壊や骨棘形成がおこり、それに伴う炎症が見られます。 関節を動かすことにより痛みや腫れが発生し、関節に水がたまることもあります。 |
OALL | 前縦靭帯骨化症 |
OPLL | (=後縦靭帯骨化症) |
OT | 作業療法士 |
PCL損傷 | 後十字靭帯損傷 |
PET | (=ポジトロンCT →核医学) 組織内の代謝や血流量の測定を目的とする。SPECTは撮像原理は異なるが、同様目的で使用される。 |
PIP関節 | 近位指節間関節 |
PO | 義肢装具士 |
PSW | 精神科ソーシャルワーカー。 |
PT | 理学療法士 |
PTSD | 心的外傷後ストレス障害。フラッシュバック(再体験)、孤立感、睡眠障害、回避行動などの症状。ICD-10やDSM-Ⅳなどの診断基準がある。 |
QOL | 上質な社会生活 |
RA | 関節リウマチ |
radiculopathy | 神経根症状。 |
RICE | Rest=安静、Ice=冷却、Compression=圧迫、Elevation=挙上のことで、外傷の初期治療の原則。 |
RIシンチグラフィー | 骨髄炎、骨腫瘍等の検査に使用される。(→核医学) |
ROM | 関節可動域 |
RSD・CRPS | 灼熱痛、膨脹、関節の可動域制限、皮膚変色が認められる。ズーデック骨萎縮、カウザルギーも見られる。3相骨シンチグラフィが有用(=反射性交感神経性ジストロフィー) |
SEP | 脊髄誘発電位。 |
SLR | ストレートレッグレイジング。坐骨神経のテスト。 |
soft disc | 椎間板ヘルニアが単独で神経を圧迫している状態。 |
SPECT | (→PET、核医学)シングルフォトンエミッションCT |
T1強調像 | MRIのT1強調像は脳脊髄液は低信号で黒く描写される。 |
T2強調像 | MRIのT2強調像は脳脊髄液は高信号で白く描写され、椎間板の変性の程度の評価が可能。 |
TFCC損傷 | 三角線維軟骨複合体損傷。関節造影などで診断できる。 |
T&Tオルファクトメータ | 嗅覚の脱失および減退の検査機器。平均嗅力喪失値5.6以上は脱失、2.6以上5.5以下は減退とされる。 嗅覚障害の認定は、原則的にはT&Tオルファクトメーターによる基準嗅力検査によるものとされています。 アリナミン静脈注射(アリナミンFを除く)による静脈性嗅覚検査によることもできますが、T&Tオルファクトメーターは嗅覚減退の程度まで 検査できる点で優れています。ジェットストリームオルファクトメトリーは、除かれています。 |
VEP | (=視覚誘発電位) |
X線検査 | 単純X線検査では、骨の状態(骨折、脱臼、骨棘、その他経年性変化等)を見ることができる。 |
参考文献:標準整形外科学、標準脳神経外科学、標準放射性医学、MB Orthopaedics
診療報酬明細書で目にする薬等の解説です。
アクアチムクリーム | ニューキノロン系抗菌薬。にきび治療薬。 |
アクチット | 注射液。電解質や水分の補給。 |
アダントディスポ | 関節内注射。変形性膝関節症や肩関節周囲炎の治療。 |
アドフィード | 非ステロイド抗炎症外用薬。鎮痛、消炎。 |
アプレース錠 | ベンズアミド系胃潰瘍治療薬。消化性潰瘍治療薬。 |
アミグランド | 点滴用。アミノ酸、電解質、ビタミン。 |
アルサ錠 | 消化性潰瘍治療薬。胃潰瘍や胃炎などの治療。 |
アルツディスポ | 関節内注射。変形性膝関節症や肩関節周囲炎の治療。 |
アルメタ軟膏 | 副腎皮質ステロイド。湿疹、皮膚炎。 |
イサロン | アルジオキサ。胃炎や胃潰瘍の治療。 |
イソジン液 | ポビドンヨード。皮膚、粘膜の消毒。 |
イドメシンコーワクリーム | 非ステロイド抗炎症外用薬。鎮痛、消炎。 |
エパデールS | イコサペント酸エチル。血行障害改善薬。 |
エラダーム | モビラート。外傷後の疼痛や腫脹、疼痛の治療。 |
オステラック錠 | アリール酢酸系NSAID。解熱鎮痛消炎薬。関節症、肩関節周囲炎などの消炎、鎮痛。 |
オムニカイン | 塩酸プロカイン注射液。麻酔。 |
オムニパーク | CTなどの造影剤。 |
カトレップ | 非ステロイド抗炎症外用薬。鎮痛、消炎。 |
カルベニン | 点滴用の抗生物質。 |
カルボカイン注射液 | 局所麻酔。 |
キシロカイン | 局所麻酔。 |
キシロカインポリアンプ | 局所麻酔。 |
クラビット錠 | ニューキノロン剤。抗菌薬。 |
ケナコルト | 副腎皮質ステロイド。湿疹、皮膚炎。 |
ケルナックカプセル | テルペン系抗潰瘍薬。胃壁を強化する。膜をはる。 |
ゲンタシン軟膏 | アミノグルコシド。湿疹、にきび、皮膚潰瘍など。 |
ケンタン錠 | アリールプロピオン酸系NSAID。解熱鎮痛消炎薬。 |
サクロデラックス | 腰部固定帯。 |
ザンタック | ヒスタミンH2受容体拮抗薬。消化性潰瘍治療薬。胃潰瘍、胃炎。 |
ザルコニン | 消毒剤。 |
ジカベリン | 局所注射用の疼痛治療剤。 |
ジソペイン錠 | アリール酢酸系NSAID。解熱鎮痛消炎薬。 |
ジブカルソー | 注射液。解熱鎮痛消炎。 |
スベニールディスポ | 関節内注射。変形性膝関節症や肩関節周囲炎の治療。 |
スミルスチック | 非ステロイド抗炎症外用薬。鎮痛、消炎。 |
ゼスタックローション | モビラート。外傷後の疼痛や腫脹、疼痛の治療。 |
セファドール錠 | 塩酸ジフェニドール。鎮うん薬。内耳性のめまい。 |
セフメタゾン | 炎症などを抑える抗生物質。 |
セブレチン錠 | 塩酸チザニジン。骨格筋弛緩薬。筋緊張状態の改善。 |
ゼポラス | 非ステロイド抗炎症外用薬。鎮痛、消炎。 |
セルタッチ | 非ステロイド抗炎症外用薬。鎮痛、消炎。 |
セルベックスカプセル | テルペン系抗潰瘍薬。消化性潰瘍治療薬。胃壁を強化する。膜をはる。 |
ソフラウルファー | 足関節固定帯。 |
ソフラチュール | 貼る抗生物質。感染予防。 |
ソリターT1 | 電解質補給用。 |
ソレトン錠 | アリールプロピオン酸系NSAID。解熱鎮痛消炎薬。 |
ソロン錠 | ソファルコン。消化性潰瘍治療薬。胃潰瘍、胃炎。 |
タッチロンテープ | 非ステロイド抗炎症外用薬。鎮痛、消炎。 |
ダーゼン | セラペプターゼ。消炎酵素薬。 |
デキサート注射液 | 副腎皮質ホルモン。炎症やアレルギー。 |
テルネリン錠 | 塩酸チザニジン。骨格筋弛緩薬。 |
ナパゲルンクリーム | 非ステロイド抗炎症外用薬。鎮痛、消炎。 |
ニコラーゼ錠 | セラペプターゼ。消炎酵素薬。腫れをおさえる。 |
ネオビタカイン | 局所注射用の鎮痛剤。麻酔。 |
ネオラミン・スリービー液 | 注射用ビタミン剤。 |
ノイメチコール錠 | ビタミンB12.水溶性のビタミン。 |
ノイロトロピン注射液 | 解熱、鎮痛、消炎薬。 |
ノイロビタン錠 | 混合ビタミン剤。 |
ノルポート | 注射用。解熱鎮痛消炎剤。 |
ハイコート | 注射用。副腎皮質ホルモン。 |
ハイペン錠 | アリール酢酸系NSAID。解熱鎮痛消炎薬。 |
ヒルドイドソフト | ヘパリン類似物質。血栓性静脈炎、血行障害に基く疼痛、外傷後の腫脹、筋肉痛。 |
フィシザルツ | 生理食塩液。 |
フィブラストスプレー | 寝ダコ治療薬。じょくそう、皮膚潰瘍。 |
フルマリン | 注射用の抗生物質。 |
プレドニン | 副腎皮質ステロイド薬。 |
フロモックス錠 | セフェム系抗生物質。感染症の治療。 |
ベナパスタ | 外用抗ヒスタミン薬。かゆみ、湿疹。 |
ペンマリン | 注射用。抗生物質。 |
ボルタレンSRカプセル | ジクロフェナクナトリウム。解熱鎮痛薬。 |
マーズレンS顆粒 | アミノ酸系抗潰瘍薬。消化性潰瘍治療薬。 |
ミオナール錠 | 塩酸トルペリゾン。痙性麻痺治療薬。筋緊張の改善。 |
ムコスタ錠 | ベンズアミド系胃潰瘍治療薬。消化性潰瘍治療薬。 |
メクロフェン | 鎮痛、解熱坐薬。変形性関節症、腰痛症、鎮痛、消炎、解熱。 |
メコバラミン錠 | ビタミンB12。 |
メチコバール錠 | ビタミンB12。 |
メリスロン錠 | メシル酸ベタヒスチン。鎮うん剤。メニエール病。 |
モービック錠 | オキシカム系NSAID。解熱鎮痛消炎薬 |
モービリン | モビラート。外傷後の疼痛や腫脹、疼痛の治療。 |
モーラステープ | 非ステロイド抗炎症外用薬。鎮痛、消炎。 |
ビタメジン | 混合ビタミン剤。 |
ヒルドイド | ヘパリン類似物質。血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患、瘢痕の治療など。 |
ファルケン | 非ステロイド抗炎症外用薬。鎮痛、消炎。 |
フィシザルツ | 生理食塩液。 |
フェルナビオンテープ | 経皮吸収型の鎮痛消炎剤 |
プリンペラン錠 | メトクロプラミド。消化器機能異常治療薬。 |
ポタコールR | 循環血液等の細胞外液の補給。 |
ポピラール | ポビドンヨード。皮膚、粘膜の消毒。 |
ボルタレン | ジクロフェナクナトリウム。解熱鎮痛薬。 |
ラクテック | 循環血液等の細胞外液の補給。 |
リドカイン | 皮膚局所麻酔のテープ。 |
リノロサール注射液 | 副腎皮質ホルモン。 |
リメファー3B注射液 | ビタミン剤。 |
リンプラール錠 | 塩酸トルペリゾン。痙性麻痺治療薬。 |
ルフレン顆粒 | アミノ酸系抗潰瘍薬。消化性潰瘍治療薬。 |
ロキソート錠 | アリールプロピオン酸系NSAID。解熱鎮痛消炎薬。 |
ロキソニン錠 | アリールプロピオン酸系NSAID。解熱鎮痛消炎薬。 |
ロルカム錠 | オキシカム系NSAID。解熱鎮痛消炎薬。 |
ロンミールカプセル | 塩酸ベネキサートベータデクス。消化性潰瘍治療薬。胃潰瘍や胃炎の治療。 |
ヤクバン20 | 非ステロイド抗炎症外用薬。鎮痛、消炎。 |
ユベラNソフトカプセル | ニコチン酸トコフェロール。末梢、脳循環改善薬。 |