後遺症の等級認定のポイント

交通事故オンライン後遺障害編

伊佐行政書士事務所
〒278-0051千葉県野田市七光台316-17
  1. Point1.あなたの後遺症は第何等級になる?
  2. Point2.等級認定のメリットとデメリット
  3. Point3.交通事故における後遺障害とは?

Point1.あなたの後遺症は第何級になる?

障害部位をクリックすると該当する等級がわかります

  • ▼ 事例・判例
  • □頚椎捻挫・腰椎捻挫で併合14級に認定された
  • □頚椎椎間板ヘルニアで12級13号に認定された
  • □胸郭出口症候群で12級13号に認定された
  • □肩の腱板損傷で第12級13号に認定された
  • □頭部外傷後の耳鳴りで12級に認定された
  • □頚椎捻挫、背部打撲等後の非器質性精神障害(PTSDなど)で12級に認定された
  • □高原骨折後の膝の可動域制限で10級11号に認定された

Point2.等級認定されることのメリット

これだけ違う損害賠償金

等級認定の成否は、損害賠償請求をおこなう上で重要な意味を持ちます。慰謝料や逸失利益は、後遺障害等級に応じて金額が大きく変わるからです。

  • ▼ 事例・判例
  • ■後遺障害賠償金の一例 30歳男性(年収400万円の慰謝料と逸失利益)の場合
  • □むち打ち症で14級なら190万円、12級なら700万円
  • □膝の痛みと機能障害で14級なら190万円、12級なら1200万円
  • □高次脳機能障害で9級なら3000万円、7級なら4700万円

デメリットは?

後遺障害の認定がされることで、就職などに不利になるのではと心配される方がいらっしゃいます。 確かに履歴書に後遺障害等級のことを書けば、マイナスポイントとして不利に働く可能性は否定できませんが、 そのために等級認定を受けないと、適切な損害賠償請求ができなくなりますので、後遺障害等級認定はきちんと受けておくべきです。 当事務所の知る限り、むち打ち症で14級に認定された方に関していえば、ほとんどの方は就職(転職)の際に特に申告はしておらず、 それによって就職後に不利益を被ったということも聞いておりません。反対に、高次脳機能障害などの方の場合は、申告せずに上手く就職できても、 仕事の中で様々な支障がでてきて、退職を余儀なくされるケースが多いです。

Point3.交通事故による後遺障害とは?

次の全ての条件に該当するものだけが自賠責保険の後遺障害として認定されます。

  • (1)交通事故により受傷した傷害が治ったときに、精神的または肉体的な毀損状態が残っていること
  • (2)事故と後遺障害の間に因果関係が認められること
  • (3)障害の存在が医学的に認められること
  • (4)自賠法施行令別表の後遺障害等級表または備考6の規定に該当するものであること
※備考6・・・各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であって、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする。

自賠法施行令別表には、14等級、140種程度の後遺障害が規定され、次のように各等級ごとに保険金額が定められています。

別表第1 保険金額
第1級4000万円
第2級3000万円
別表第2保険金額
第1級3000万円
第2級2590万円
第3級2219万円
第4級1889万円
第5級1574万円
第6級1296万円
第7級1051万円
第8級819万円
第9級616万円
第10級461万円
第11級331万円
第12級224万円
第13級139万円
第14級75万円

等級によって支払われる金額が大きく異なるため、様々な資料が検討され、公正な審査が行われています。 このように、後遺障害等級の認定は、自賠責保険の公平な支払いのために行われている仕組みの一つなのです。

自賠責保険の後遺障害等級認定には様々な欠点がありますが、現状これに勝る後遺障害の評価方法も存在していないため、 損害賠償請求においても、自賠責保険の等級評価がそのまま尊重されて話し合いが進められることが普通になっています。

後遺症と後遺障害

後遺症とは、傷病の初期の急性症状の治癒後、長く残存する障害のことを指す言葉です。たとえば交通事故で腕を骨折した被害者の中には、ほぼ完全に事故以前の状態に回復する 人もいれば、腕の機能に可動域制限などの障害を残してしまう人もいるわけです。この残った障害のことを後遺症といいます。 生活の中で自分の不注意で怪我をし、後遺症が残った場合は、特にその後遺症を細かく分類する必要はありません。 しかし交通事故などの第三者の不法行為によって後遺症を抱えることとなった被害者には損害賠償請求権があります。損害賠償請求は金銭賠償が原則ですので、 損害額の算定のためには、後遺症をある程度客観的に測る指標が必要とされます。

後遺症の状態は人によりそれぞれです。肘の関節が1~2度曲がらなくなった人もいれば5度曲がらなくなった人、10度曲がらなくなった人もいます。骨折部に痛みが残ったが、 ほとんど気にならない程度の人もいれば、激痛のため動かすことさえままならない人もいます。そうした状態をすべて客観的に公平に評価することは不可能であるため、自賠責保険では 実務処理の要請から様々な後遺症の状態をかなり大雑把に分類し、140程度の種類、14段階の等級に整理しています。 このように「後遺症」をランク付けしたものが「後遺障害」であると理解すればよいでしょう。 交通事故の後遺症について調べていると「後遺症」という言葉と「後遺障害」という言葉が出てきますが、一般の方がその意味を分けて考える必要性はありません。 「後遺症」という一般的な概念の中に、 労災保険や自賠責保険、交通事故の損害賠償請求を行うために便宜上定められた等級による分類がなされたものが「後遺障害」であるということです。

治らなければ後遺障害か?

後遺症とは「もう治らない」状態を指すものですが、これが様々な問題を引き起こします。

医師は「これ以上治療しても大きな変化はない。症状固定といってもよい状態」といい、 保険会社は「もう治らないのだから症状固定です。保険で治療費を支払えるのはここまでです。あとは後遺障害の認定を受けてください。」といいます。 被害者は「まだ痛むが、保険会社はもう治療費を支払えないというし、後遺症が認定されれば別に保険金が出るというから治療をやめよう。」と考えます。 そして等級認定をする調査事務所は「このケースでは将来においても回復が困難と認められる障害とはいえない」と、非該当の判断を下すのです。

つまり「医師や被害者が後遺症が残っており、もう治らない」と考えたとしても、 一定の要件が備わっていなければ、調査事務所は「自賠責保険でいうところの後遺障害とはいえない」と判断します。 それでは痛みがなくなるまで治療を続けることができるのかといえば、 法的には症状固定となれば、たとえ痛みが残っていても、それが後遺障害として認定されることがなくても、 それ以降の治療費の請求はできないことになっているのです。 一度症状固定としたからには、後遺障害が認定されなかったといっても、それを撤回して治療費の支払いを再開させることは困難ですから、症状固定日は慎重に決める必要があります。

症状が重ければ後遺障害か?

「後遺症のため仕事ができず、解雇された」「症状のため家事もできず、一日横になって過ごすことが多い」 このように交通事故により重い症状を訴える被害者は少なくありませんが、それでも後遺障害等級は「非該当」とされる人は大勢います。 後遺障害が認定される条件として、一定程度の障害の存在は当然のことといえますが、それのみでは認定されない場合があるのです。 よくあるケースとしては、頸椎捻挫の後に重い症状が残ったが、認定結果は非該当だったというものです。 非該当の原因としては、症状の存在や永続性について、医学的な証明が困難ということが多いので、これに対する対策が必要となります。

認定されれば症状の永続性が保証されるのか?

調査事務所は後遺障害等級の認定において「将来においても回復が困難と認められる」ということを条件としています。 つまり回復する見込みのある神経障害等は、後遺障害として認めないという建前にしているのです。 しかし一定程度の神経障害というものは、長い年月をかけて少しづつ回復していく、あるいは慣れてきて、いずれ障害とは感じなくなってくるというのが、 裁判所の考え方です。そのため第14級の神経障害における逸失利益の請求は、ほとんどが5年以内分しか認められていません。 後遺障害に認定されたからといって、症状の永続性が認められるとは限らないのです。

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